「憲法九条の会・生駒」お知らせ 2020年8月19日(部内資料)

       ・・・(憲法9条に係わる最近の動きから)・・・

自民党の敵基地攻撃能力論、及び2020年版国防白書(7/14発表)が示す軍備増強路線!

 

 秋田と山口に予定されていた(迎撃ミサイル)イージスアショア撤退に至る経過を見ると、不可解な事実が判明します。そもそもこういう迎撃ミサイルの発射は、敵の弾道ミサイル(同時複数発射)を命中して撃墜さえすれば、その時ブースターがどこへ落下するか、は軍事の常識として全く想定しない、つまりどうでもいいこと、だと軍事専門家は言います。ハワイやグアム島を狙うミサイルならまだしも、北朝鮮やロシアが開発した極超音速滑空弾超低空で高速飛行するため、日本防衛にはイージスアショアは全く役に立たないことがだんだん分かってきた、というのが真相です。しかも、防衛省の「中期防衛力整備計画(14~18年度)」にはイージスアショア導入は全く想定されていなかったのに、トランプの再三の圧力に安倍首相が屈服し、2017年12月に閣議決定した、というトップダウン決定で、それから防衛省が細部を検討してみて「役に立たない」ことが判明した。「ブースター云々」の説明はいかにも無理があった、・・・・これが真相。

 さて、それなら、と持ち出した「敵基地攻撃能力論」は、安倍首相が唐突に「相手領域内でも弾道ミサイルを阻止する能力の保有を視野に、安全保障戦略の新たな方向性を打ち出す」と自民党に検討を促した。・・・・・戦争放棄憲法の理念や「専守防衛」論はどこへ行った?
 だが、安倍政権はすでにこれまで「攻撃的兵器」を米国から導入しています。敵を追尾する巡航ミサイルや、敵のレーダーにかからないF35ステルス戦闘機(相手の領土奥深く侵入できる)の大量購入、それを敵近くの海まで運搬する空母建設、さらに今後「総合ミサイル防空能力の強化」として、地上発射のミサイルだけでなく、多数の戦闘機からの複数の巡航ミサイル攻撃に、陸海空自衛隊のレーダーと迎撃能力の連携、その探知・追尾のため、米国の統合ミサイル防衛(IAMD)との連携を確保して、低軌道衛星コンステレーション(複数の衛星運用)も検討する方針。まさに軍拡へ宇宙も利用するもの。米紙ウオールストリートジャーナルは「日本は軍事的先制攻撃オプションに踏み出した」と報じている。
 いっぽう7月発表の2020年度版国防白書は、米空母艦載機離着陸訓練の候補地としての馬毛島(鹿児島)の整備を進める、南西地域の島しょ部自衛隊配備強化、米軍プレゼンス強化のため、山口県岩国基地にF35Bステルス戦闘機の大量配置米軍強襲揚陸艦アメリカ」の佐世保基地母港化などを挙げている。危険な軍備増強計画の1つ1つは、黒塗り資料の秘密裏にではなく、国民の前に実態を公表させ、国会で真相が追及されなければならない。憲法の視点から。

 

終戦記念日に、現役4閣僚が靖国神社参拝を強行、侵略戦争に無反省

 同神社は、天皇のために戦って死んだ軍人・軍属をまつるもので、原爆・空襲などの民間犠牲者は別。同神社の遊就館は「日本の侵略戦争を正しい戦争だった」と今も主張、閣僚参拝は戦争への反省が皆無、を示すもの。

 

 

来年度の中学校教科書採択、育鵬社をめぐる闘い

 改めて、今回の育鵬社版教科書の内容の問題点を簡潔にまとめると

「①記紀神話を見開き2ページで大きく扱い、まるで神話が日本誕生の歴史的事実であるかのように表現。

②あの戦争は自存自衛の戦争、大東亜戦争。アジアの国を欧米の植民地支配から解放、大東亜共栄圏へ。

③新憲法GHQが日本側の改正案を拒否、自らの案を日本側に押し付けた。」・・・・・などなど。今年は、これまで育鵬社版を採用してきた教育委が、市民、教員、弁護士らの運動で、他社に変更する動きがでている。

 河村名古屋市長らが育鵬社採択を主張する中、7月の段階では5人の教育委員のうち、2人は育鵬社版を推していた。市民団体は以前から声を挙げていたが、8月7日の採択の教育委員会は、傍聴席10席に対し、大勢の傍聴者が押し掛け、結局80人が傍聴した。この会議でかつて育鵬社を推していた2人が、他の3人に同調、歴史は教育出版、公民は東京書籍を採用した。市民の声の勝利。

 

 全国最多147もの市立中学校を抱える横浜市は、これまで9年間育鵬社を使ってきたが、今年は歴史は帝国書院、公民は東京書籍を採用した。委員会での無記名投票の採決など、採択の公正・透明性についての、市民団体や弁護士の「育鵬社ありきの採択をやめよ、という偏向教科書批判」を受けての結果となった。結果は、歴史は帝国書院4票、育鵬社2票、公民は東京書籍5票、育鵬社1票だった。選考過程が公正・透明になった。

 また、神奈川県藤沢市は、8年間使用してきた育鵬社を選ばず、歴史と公民に東京書籍を採用した。いずれも現場の教員の多数意見をふまえ、それを無視できなくなった教育委員会が採択した。
 また、東京の都立中高一貫校(10校)、大阪府四条畷市小笠原村立中学は、歴史・公民とも、育鵬社から切り替えた。また大阪府河内長野市は、公民のみ育鵬社から切り替えた。
 しかし栃木県大田原市は、これまで通り歴史と公民に育鵬社版を、を採用している。

 ところで生駒市は、ずっと育鵬社などを採択せず、今年も8人の教育委員全員発言などで民主的な運営の結果、教科書は順当な採択がなされた。ただ、同じ教育委員会学校統廃合については、住民の声を民主的に反映するかどうか、はまだまだ不透明。
 というのは、統廃合はかねてからの国の方針で、安倍内閣が設置した教育再生会議の第3次報告(2007年12月25日)で「国は、統廃合を推進する市町村を支援する」と露骨な学校統廃合推進を打ち出したが、応ずれば予算配分がつく、というエサがあるからである。市民の強い声が国の圧力に抗して、子どもの立場で行政をしっかりさせられるかどうか、の試金石になる。少子化こそ少人数学級の好機だ。

 

 赤字です!「憲法九条の会・生駒」への募金をお願いします!
「郵便振替口座 00930-9-278631 憲法九条の会・生駒」へお願いします。振り込み用紙は郵便局にありますが、前々回のお知らせ(6/19付)に「ゆうちょ銀行の振り込み票」を同封し、2019年度会計報告(苦しい会計です!)も掲載しました。どうかよろしくお願いいたします。


         ・・・・・・こ れ か ら の 予 定・・・・・・

8月22(土) 生駒南9条の会運営委員会(14:30~17時 せせらぎ203)
8月23(日) 夏のつどい(映画「ひろしま」上映、 13:30~図書会館、 生駒市平和委員会)
9月9(水) 生駒駅宣伝(11~12時 生駒駅
9月19(土) 生駒駅宣伝(11~12時 生駒駅) あと9条の会運営委員会(13:00~14:30)(下記)
9月20(日) 鹿ノ台9条の会平和のつどい(鹿ノ台ふれあいホール、 前田徹生先生)

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      第190回「憲法九条の会・生駒」運営委員会

       2020年9月19日(水) 午後1時~2時半  たけまる研修2

当会は運営委員を決めていません。当日参加された会員(1日運営委員)で構成しています。

        お時間が許せばご参加賜りたく、ご案内申し上げます。