「憲法九条の会・生駒」お知らせ 2021年5月19日号(部内資料)

国民投票法改定案可決―政権の改憲策動を世論で阻もう!!―

 

 5月6日、衆院憲法審査会で、改憲のための手続きを定めた国民投票法の改定案が修正のうえ可決されました。自民、公明の両党、日本維新の会の改定案に、立憲民主党が修正で合意し、国民民主党も賛成しました。

 2018年に自民・公明と維新によって提出された改定案が、これまで採決されなかったのは、多くの国民が改憲を望まず、改憲推進に反対してきたからです。   

 菅首相は、3日の憲法記念日にあたって

改憲派集会へ寄せたビデオメッセージで、国民投票法改定は、安倍前首相が提起した改憲を促進する「最初の一歩」と語っていました。

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 もともと改憲のための手続き法(国民投票法)は、改憲しようとしなければ改定の必要もありません。しかも安倍政権が2007年に成立を強行した国民投票法は、資金力の有無で広告の量が左右される問題や最低投票率の規定がないなど欠陥だらけです。今回の改定でそうした欠陥は、正されていません。

 菅首相固執する改憲を国民が求めていないことは、憲法記念日にあたっての世論調査で「朝日」では憲法9条を変えない方がよいが61%、共同通信の調査では、改憲議論を急ぐ必要がないが54%を占めます。

 

 菅首相が、安倍前首相が言い出した改憲案に固執し、自民党がたたき台として取りまとめたと明言したことは重大です。憲法自衛隊を明記すれば、自衛隊が海外の戦争に出動できます。日本を「戦争国家」にする危険なものです。

 

 菅首相は、コロナの感染拡大を「緊急事態」だとして、緊急事態条項の創設は「重く大切な課題だ」とも発言しています。コロナの感染拡大は菅政権の無為無策が招いたものです。憲法に緊急事態条項がないこととは無関係です。憲法への「緊急事態条項」の創設は国民の基本的人権を停止する「独裁国家」への道です。ナチスが蛮行に及んだ全権委任法に通ずるものです。
 コロナの感染拡大に便乗して「緊急事態」だからと改憲をせきたてるのは文字通りコロナに便乗した“火事場泥棒”です。

 

今、国民が求めるのは改憲ではなく、コロナ対策で国民を救済することです。
憲法改悪阻止という国民的な運動を起こし、それを土台に総選挙で勝利していくための市民と野党の共闘を進めていく必要があります。

 

  人権や平和を守るために政権交代を!―前川さん講演より―
 4月18日、大和郡山市での第63回奈良県母親大会で
前川喜平さん(元文部科学事務次官)が「これからの日本~憲法のめざすもの」と題して講演されました。主な事柄を記します

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日本国憲法は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果。(97条)(世界中でたたかった人がいる。)日本国憲法は、世界の普遍的価値(民主主義、自由、人権、法の支配等)に基づいているが、まだ、実現していない。安倍前首相は、日本国憲法は日本人が作ってないとし、大日本帝国憲法のような内容に作り替えようとした。

 

〇積極的平和主義とは、たんに戦争が、ない状態ではなく、自由や権利が守られ人々が幸せに生きている状態をいう。安倍前首相の積極的平和主義は軍事を拡大して平和を守るという考え方。


〇国家は、個人の尊厳を守るためにある。国民が憲法を作り国に憲法を守らせることが立憲主義自民党改憲案は、国家が憲法を決め、国民に守らせるもの。義務が多い。

 

〇三大原則である基本的人権の尊重、平和主義、国民主権が大切。人権は外国人を含む全ての人が対象で、政府は外国人を労働力とみなし、人間扱いしていない。


〇学術会議の任命拒否問題は、一般的に学者の世界のことと思われているが、学問の自由が侵されると教育がおかしくなる。学問の自由や表現の自由の破壊は教育の破壊で、政権が思うがままに教育をコントロールできる。それは戦前だ。


国連憲章には、「武力による威嚇又は武力の行使はしない」とあり、「核兵器禁止条約は発効されて国際法になった」とし人権や平和を守り、世界をリードする日本にするためには「政権交代しないといけない」。
      
   ・・・・・・こ れ か ら の 予 定・・・・・・
5月27日(木)教科書アンケート黒塗り第2回公判 奈良地裁 10時30分~ 
5月29日(土)奈良1区市民連合街頭宣伝 近鉄奈良駅 14時から15時
6月9日(水)生駒駅宣伝(11時~12時)
6月19日(土)生駒駅宣伝(11時~12時)
6月20日(日)生駒南憲法9条の会 せせらぎ 午前10時開会12時まで「今こそ憲法をくらしに-憲法9条破壊の新たな段階に立ち向かおう-」溝川悠介さんのお話と意見交換 

 

※コロナ感染再拡大の影響で中止や延期がある可能性があります。 

 

      第199回「憲法九条の会・生駒」運営委員会
    2021年6月19日(水) 午後1時よりたけまる研修室1
当会は運営委員を決めていません。当日参加された会員(1日運営委員)で構成しています。
        お時間が許せばご参加賜りたく、ご案内申し上げます。


    発行責任者:井上靖章 TEL・FAX0743―76-0743