1200筆達成の手記 「3000万署名の取りくみ、わたしのやり方」2

 「3000万署名の取りくみ、わたしのやり方」  (前項から続き)


 (4)教え子、TちゃんとEちゃんのこと 
 教え子たちの署名でとびきり嬉しかったのは、この二人からのものです。 
 Tちゃんは、教師生活で最後の担任をした1986年当時で3年生だった子です。彼女は目立って学力が遅れていて、みんなから蔑まれ、なかなかクラス仲間に溶け込めない子でしたが、色々と手立てを考えて取り組み、担任を終える時には明るく4年生に進級させることができました。退職してからも年賀状を欠かさず出していました。このTちゃんが、この署名の呼びかけに応じてくれ、ただ1筆、自らの名前を書いて送ってくれたのです。署名が届いたのでお礼の電話を入れると、33年ぶりに彼女の弾んだ声が聞けて、とっても幸せでした。 
 もう一人のEちゃんは、Tちゃんよりも少し前、1, 2年生で担任しました。この子も、障がい児学級へ入れるべきか迷った子でした。この子にも手紙を書いてお願いしたところ、家族と知り合いの方と合わせて5筆を届けてくれました。返信用の手紙には「子供を連れて先生の家へ行きたい、1年生の時、先生に“高い高い”をしてもらったことが忘れられないです」と書かれていて感激しました。 
 この二人合わせての6筆は、私にとって宝物なのです。どんなに多くの署名にも代えられない宝物です。この子らの心も、3000万人の一人として、立派に役目を果たすことでしょう。

           〔追記〕2019年5月20日現在 1255筆に達しました。