小学校教科書採択などについての申し入れ

                                                                                             平成26年2月

生駒市教育委員会
教育委員長 山 本 吉 延 様

                                                                          団体名 憲法九条の会・生駒
                                                                          氏名  長尾 強志



                                 小学校教科書採択などについての申し入れ

 生駒市の教育振興のために日頃、貴委員会が尽力されていることに敬意を表します。
 さて、来年度は小学校教科書採択のとしに当たります。また、安倍政権によって、学校や教育の在り方を大きく変える政策が矢継ぎ早に進められようとしています。こうした状況に鑑み、下記の2点について貴委員会に申し入れるものです。貴委員会の権限を越えるものについては、奈良県教育委員会文部科学省、政府など関係当局に強く要請していただきたいと思います。



1. 小学校教科書の公正な採択について
(1) 来年は、小学校の教科書が採択される年です。教科書採択にあっては、公正かつ民主的で、学校現場の先生方や保護者、市民の意見を尊重し、本市の子どもたちにふさわしい教科書を採択していただきたいと思います。そのためには、現場の先生方がじっくり教科書見本を手にとって調査研究できる時間を保障して下さい。

(2) 教科書採択のための教育委員会会議は各方面の関心が高く、保護者・市民はじめ教科書会社の関係者など多数が傍聴を希望します。傍聴希望者が全員傍聴できるよう配慮下さい。

(3) 教科書展示会について、市民だよりなどで市民への周知徹底をお願いします。また、これまでの展示は、図書会館に行っても展示期間や展示場所が分かりにくく、図書会館前に看板などを掲示するなど、市民が分かりやすく、関心を持てるような工夫をお願いします。



2. 教育委員会の「独立性」について
 2013年12月14日、中央教育審議会は、教育委員会制度の「改革」を答申しました。
    自治体首長=執行機関
    教育長=首長の補助機関
    教育委員会=首長の補助機関
 この事により教育委員会は意見は言えても決定権はない存在となります。
 現行の教育委員会制度は、戦前・戦中の軍国主義教育の反省に立ち、首長の一般行政から教育行政を独立させ、教育を守るために、1948年に発足しました。

 しかし、1956年、当時の自民党政権教育委員会の公選制を廃止し、首長の任命制に改悪しました。

そのため、多くの教育委員会は上意下達的な組織となり、「形骸化」の批判がたえません。しかし、教育委員の合議で方針を決定する現行制度は、教育に対する権力支配への一定の歯止めの役割を果たしてきました。
 安倍政権はわずかに残った民主的な側面すら気に入らず、教育委員会を首長の下に組み込み、教育行政を首長直轄にしようとしていると言わざるをえません。

 また、10月29日、中教審教育制度分科会は教育委員会制度「改革」案について5団体からヒアリングを行いました。
 その中で全国都道府県教育委員会連合会は、教育員会を執行機関として残すべきだとする意見が7割に達したと報告するなど、教育委員会の独立性を維持すべきだとする意見が多数を占めました。

(1)教育委員会の「独立性」について、貴委員会の基本的な考えをお聞かせ下さい。

(2)教育委員会の「独立性」を奪う、安倍政権による地方教育行政制度の「改革」に反対して下さい。

(3)教育の政治からの独立、教育の地方分権の原則に立ち、本市の子どもたちの教育のために、貴委員会の活動のさらなる発展を期待し、激励の言葉をおくります。