九条世界会議・国際会議を終えて

九条世界会議・国際会議を終えて           池田順作

約2ヶ月前から取り組んできた世界会議が終わり、感無量の思いだ。結果として、世界会議参加者は約5500名で、目標には達しなかったが、それでも関西の改憲反対運動の一翼として貢献できたと思う。各地域の運動の高揚が、改憲勢力を追い詰める。
 生駒では、「憲法九条の会・生駒」が呼びかけて、「生駒市平和委員会」、「生駒革新懇」、「新婦人生駒支部」とともに取り組んだ。8月以降は、この4団体が協力してきたことで運動が広がった。はじめ生駒で参加目標50名は無謀な感じがあったが、取り組んでいく中で、参加券がどんどん売れていった。結果として、50枚の参加券は完売、世界会議本部から預かった「9条Tシャツ」15枚、「9条バッジ」60個、「9条付箋」20個は、全部完売した。さらに生駒在住の方が自主的に作成した「憲法9条全文が日本語と英文で印刷されたTシャツ」6枚と、生駒の洋菓子店が作ってくれた「9条クッキー」80個も全部完売した。
会場の体育館には全部で48のブースが出ていたが、生駒はこの一角に申し込み、ここでも9条グッズの販売を継続した。初めはちょっと無理か、と思っていたことがどんどん広がっていった。(ブースのことは、別紙長尾さんの文章を参考にしてください)

13日の国際会議、14日の世界会議の全体の特徴は、日本国憲法9条が世界の中で、今日の時代の中で、如何に高い価値を持っているかということを、外国人が、外国の平和運動家が高く評価しているということである。日本人は、この価値を改めてしっかり認識し直さなければならない、という思いを強くした。

韓国のキム・ジンク弁護士は「なぜ一国の憲法の一条文をめぐって国際会議が開かれるか?それは9条が日本の国民のみならず、世界とアジアの人々に対する約束(不戦の誓い)であり、平和の支えだからです。」
君島東彦立命館大教授は「9条は、侵略戦争を起こした大日本帝国の軍隊を全面的に否定するアジアの民衆の安全保障だった。」
フランスのローラン・ヴェイユ国際民主法律家協会副会長(弁護士、95歳)は「9条は平和の国際法という、文明の計り知れないほど貴重な進歩を目指す方向に厳密に合致している。9条を廃止してはならない。9条はむしろ模範であって、他国はこぞってこれにならうべきだ。」
チュニジアのベルハッセン・エヌーリ弁護士(28歳)は「9条は、市民が裁判所で平和を擁護するための今までにない方法だ。他国では、戦争する権限とは政治の問題であり、司法による審査の対象外とされている。」さらに、現在同国で起草中の新憲法に、日本の平和憲法の精神を取り込むよう求める提案を準備している。ことし3月、チュニジアで開催された世界社会フォーラムで「守ろう日本国憲法9条」のワークショップでパネラーを務めた。
アメリカのアン・ライト元米陸軍大佐は「アメリカがアジア・太平洋地域で展開している軍事作戦は、平和にとって許しがたいものだ。9条を守り、アメリカが選んだ戦争への要求をはねのける国であり続けようと声を大にして訴えていることは、日本のみなさんの功績だ。日本が9条を堅持することを確信している。」彼女は、13年間米国陸軍で現役、最後は陸軍大佐で退職。ミクロネシア、アフガン、モンゴルなどで代理大使として外交官を務めたが、2003年3月ブッシュ政権イラク侵攻は、国際法違反として、パウエル国務長官に辞表を突きつけ、以来世界各地で反戦平和運動を続けている。
コスタリカのロベルト・サモラ弁護士は、大学3年のとき、米軍のイラク侵攻にコスタリカ大統領が支持声明を出したことは憲法違反だとして提訴、最高裁から違憲判決を出させた。
その他たくさんあるが、紙面の関係で割愛します。